大阪で17歳の男の子が「誰でもいいから人を殺したかった」という理由で、ハンマーを振り回し、園児に怪我をさせるという事件がおこりました。
昨晩、テレビで「桜の花の咲く頃に・・」という番組を見ました。北海道の別海町の高校生たちの一年間を追いかけたドキュメンタリー番組でした。
繁華街もなければ塾もない酪農と漁業の町で、それぞれの高校生が、自分が何をすべきかを考えて、真剣に生きている姿映し出した番組でした。ある高校生は、親に迷惑をかけないようにと、私立大学の受験をあきらめ、合格率の低い国立大学受験合格を目指して一生懸命勉強をしていました。ある高校生は、毎朝、新聞配達を続け家計を助けながらも、夜勤の看護婦をしている母親を「自分の母親を誇りに思っている」と言っていました。海へ家族で魚を取る網を仕掛けに行き、マイナス20度の冷たい水に腕を肩まで入れ大きな氷の塊を引き上げている高校生の姿も映し出されました。
「私は誰かに光を当てられて輝くのではなく、自分から光り輝けるようになりたい」という女の子の言葉に、胸がジーンとしました。
別海町の高校生は、だれもが自分ひとりで生きているのではないということを知っていて、まわりのことを大切にしながらも、その中で自分が今何をすべきかということと、しっかり向き合って生きていました。
人を殺すための道具を買い集める17歳もいれば、生きることに真剣に向き合っている人間もいる。同じ人間なのに何がここまで違う心を持った人間を創り出してしまうのでしょう。
番組の最後、桜の老木にまばらに咲いている桜の花が映し出され、こんなナレーションが流れてきました。
「華やかさを隠すように咲く別海町の桜の花。これが日本の桜です。」
その言葉がいつまでも心に残りました。
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