先日、若旦那が海外で仕入れてきた家具などを、名古屋港までトラックに乗って取りに行ってきました。その時運転してくださった運転手さんが、道中こんな話をしていました。
「今、会社のおかかえ運転手をしているんですが、運転のない日は草むしりばかりなんです。何のために働いているのか・・・・。」
他にも毎月毎月お給料の中から両親に仕送りをしている話や、毎朝5時おきては自分でお弁当を作っている話など、いろいろな話を聞かせてくれました。
「本当は作曲家になりたかったんです。両親には10代の頃、無理を言って音楽家の先生のところへ習いに行かせてもらったのに、申し訳なくて・・・・」
今でも実家にその当時使っていたコントラバスがあるという話を聞いて
「まだ夢をあきらめるのは早いよ。もう一回、コントラバス弾いてみようよ。もうだめだとあきらめる前になにか一歩踏み出そうよ」
と、つい口をついて言葉が出てしまいました。無責任な気持ちで言ったのではありませんが、かえって彼の心を傷つけてしまったのではないかと、言った後すぐに後悔をしました。
とりあえず、実家からもう20年使っていないというコントラバスを取り寄せることにしました。アパートでは音が出しての練習ができないため旅館のあいている時間に練習をすることにしました。いつか時期が来て、お客様の前に出られる日がきたら、私たちの能舞台で初ステージを踏む約束もしました。
運転手さんへの応援は、同時に私たち旅館にとっての勇気にもつながっていくような気がしました。
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